落葉送陳羽
(陳羽は韓愈と同年の進士で、その人が故郷に帰るについて、この詩を贈ったもの。)
落葉不更息,斷蓬無復歸。
落葉が始まればさらに続いてすべて落ちるまで、散りじりに散らばらになって、風に舞ってやむことはない。その頃、蓬は風によって根を切られ、その場に留まれないばかりか、また同じ場所に戻って来ることはない。
飄 ?終自異,邂逅暫相依。
我々にとっても、落葉や転蓬に比すべく、飄?として、遂には異なるべきものがあるのであるが、偶然都において邂逅し、二人とも進士に及第し、暫時互に相よって助け合っていたのに、またここに別れることになった。
悄悄深夜語,悠悠寒月輝。
悄然として、夜が更け行くまで語り続けると窓前には、悠々として寒月が照り輝いている。
誰云少年別,流?各沾衣。
昔の人は、青年期の別れであるから、きっとまた会うことがあるから、格別苦になるものではないといわれるのであるが、実際に今ここで別れるとなると、そういうものではなく、互いに涙を流して、衣裳がぬれるほどになった。
(落葉、陳羽を送る)
落葉 更に息まず,斷蓬 復た歸える無し。
飄?として 終に自ら異なり,邂逅【かいごう】暫く相い依る。
悄悄として 深夜に語り,悠悠として 寒月輝く。
誰か云う 少年の別を,流? 各の衣を沾す。 |